泣きました・・・。
自然界はなんて厳しいのだろうか。
17,000ヘクタールの草原に謎に満ちた大型ネコ科動物のヒョウが20匹以上生息しています。
動物カメラマンのジョン・ヴァーティーは 、一匹の雌のヒョウに注目し彼女の一生を カメラに収めました。
その雌のヒョウの名前はマナナ。
時にマナナは狩りに同行することを許してくれます。

マナナの狩りに同行するジョン
ジョンとマナナの絆が深まるきっかけは、マナナが生まれる10年以上のある出会いでした。
1979年ジョンと仲間のエルモンはあるヒョウの通り道を辿っていました。
彼らは謎の多いこの大型動物をカメラに収めるのに苦労していました。
しかし、その日はついていました。
母親とその子供たちがいたのです。

マナナのお母さんとマナナのおばあさん
人間を察知するとたいていの母親はその子供たちを隠してしまします。
しかしこの時は違いました。
母親のヒョウは特に警戒することもなく、
彼らが子供たちを撮影しても平気だったのです。
ジョンはこの雌のヒョウ(マナナのおばあさん)に注目し、
彼女の一生をカメラに収めようと決心しました。
それから12年間にわたりジョンはこの雌のヒョウ(マナナのおばあさん)の生態を克明に撮影しました。
ジョンは言います。
→「あのヒョウは人間とヒョウが親しくできるという事を初めて教えてくれた存在でした。
彼女は秘密の扉を開けてヒョウの世界を私に見せてくれました。」
しかしある夜 ジョンはその世界が引き裂かれるのを目撃します。
ライオンが獲物をしとめた彼女を追っています。
この時彼女は致命的なしくじりをします。
獲物を木に引っ張り上げたのですが、位置が低すぎたのです。
体の大きいライオンは高いところまで登ることはできません。
しかし体重およそ150㎏のこのライオンは低い木をよじ登り、
彼女、雌ヒョウに迫ってきたのです。
追い詰められた雌ヒョウは地面に飛び降りるしかありませんでした。
木の下には2匹の雄ライオンが控えています・・・。

夜明けを迎え、ジョンとエルモンは雌ヒョウの縄張りで恐れていたものを目撃します。
彼らの雌ヒョウは無残にも傷つき死にかけていたのです。
傷は骨にまで達していました。
傷ついた雌ヒョウが死んでいくのを彼らは見ているしかありませんでした。
ヒョウの世界へと開かれた窓は閉じてしまいました。
ジョン達が次に追い求めたのは死んだ雌ヒョウの子供たちでした。
しかし子供たちの性格は母親とはかけ離れていました。
気まぐれで攻撃的なため慎重に後を付けなければいけません。
ある日彼女が狩りに出かけた隙に、巣穴を確かめるまたとないチャンスが訪れました。
ジョンがそこで見つけたものは彼の人生を変えることになります。
生後10日ほどの雌の子どもでした。
ジョンはその子供をマナナと名付けました。

かわいい子どものころのマナナ 💛
ヒョウの世界への窓が再び開いていきます。
雌のヒョウは狩りをしながら単独で子育てをします。
そのため生まれたばかりの子どもたちは、しばしば無防備なまま巣穴に置いていかれます。
ライオンやハイエナは競争相手を減らすために他の捕食動物の子どもを殺します。
無防備なヒョウの子どもはたやすい標的です。
しかし、幸いにも茂ったやぶと河川敷の岩が要塞のようにこの巣穴を守っていました。
マナナともう一匹の兄弟は遊びながら存分に狩りの稽古をすることができました。

目新しい生き物は子供たちに狩りの本能を芽生えさせます。
しかし木登りはもう少し練習が必要です。
練習を重ねるうちにだんだんと上手になっていくのがわかります。
やがて木々は子供たちのお気に入りの遊び場となりました。
あらゆる生き物が狩りの対象となります。
成長するにつれて狙う獲物も大きくなりました。
一年経つとヒョウは大人のレイヨウを一人でしとめられる様になります。

レイヨウ
大人のヒョウは自分の縄張りを持ち、木々の上を住処として暮らします。
木々が茂り、多様な動物が生息する保護区はヒョウにとって申し分ない環境です。
しかし獲物の多いところにはライバルの捕食動物も現れます。
一人立ちしたばかりのマナナにとって獲物を取るのは最初のハードルにすぎません。
ここでは捕った獲物を手放さずにいることのほうがはるかに難しいのです。


ハイエナたちは獲物を横取りするためならどんなことでもします。

マナナは獲物をしとめた数秒後に凶暴な集団に取り囲まれたのです。
一人で相手をするのは無理だと判断し、その場を離れました。
この獲物はハイエナたちに横取りされました。
しかしその直後ハイエナたちが争い始めました。
ハイエナの食事には厳格な上下関係があり、大勢が一つの獲物に集中すると下位のものが排除されます。食事をめぐる争いはどんどん激しくなりました。
一瞬の隙に忍び寄ってマナナは獲物を取り返します、そして近くの木に駆け登ります。
ハイエナたちが気づく前にハイエナたちが登って来られない高さまで獲物を引き上げることに成功しました。
ご馳走にありついたマナナ。
執拗に見張り続けるハイエナたちを尻目に、この夜はたっぷりと食べることができました。
肉をあさるハイエナはヒョウなど大型ネコ科動物の後を付けて回り、盗めるチャンスを見逃しません。
ハイエナたちとの戦いはマナナが生きていくうえで避けて通れない試練なのです。
若いヒョウはしとめた獲物を捕食動物から守ることの難しさを学びます。
マナナが4歳で母親になると、試練はそれだけでは済まなくなりました。
捕食動物が絶えず子供の命を脅かすからです。
ここ クルーガー国立公園ではヒョウの子供の およそ半数が捕食動物に殺されます。

マナナは、なかなか優秀な母親です。
彼女の巣穴は外から全く見えません。
その上マナナは数日ごとに子供たちを移動させ、捕食動物に突き止められないようにしていました。
臭いで感づかれないように同じ巣穴に長くはとどまりません。
マナナは懸命に子育てをしています。
しかし そんな マナナの知恵でも勝つ事ができないある脅威がマナナに迫っていました。



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