サワコの朝

サワコの朝 2017年9月9日
ファンクラブの皆様、ただのファンの皆様。
長らくお待たせいたしました。
今朝のゲストはシンガーソングライターさだまさしさんです。
さだまさし

生年月日:1952年4月10日
出身地:長崎県

ファンクラブは何人くらいいらっしゃるんですか?


さださん
ー2万何千人ですかねー、意外に多いでしょ?

会費取ってんの?

さださん
ー会費とってるとってる

喉の調子は大丈夫ですか?

さださん
ーいい時はいいんですけど、ダメな時はダメですねー。
でも昔と比べればかなりいいですね。
30代殻45才くらいまでひどい声をしてましてね。
年間180回くらいコンサートを行ってまして。
借金してましたんでね。

ご立派にご返却なさって。


さださん
ー当時28億ですから。

もういろんな人生の教訓を抱えていらっしゃいます。

さださん
ー教訓の男でございます


 1973年フォークデュオ「グレープ」でデビューすると、翌年「精霊流し」が大ヒット。
24才でソロになって以来、570曲もの作詞作曲を手掛け、来月にはデビュー45周年目を迎えます。
さださんが生み出した数々の名曲の中には、傑作エピソードが盛りだくさん。
歌はもちろん鮮やかなトークも全開!
人の心に灯りをともす、さだワールドにサワコが飛び込みます。


コンサート開催4,200回超は日本一!

45年も4,000回以上のコンサートをよく続けて・・・。

さださん
ーお客様もよく来てくださった。

だって飽きないんだもの。

さださん
ー飽きない為にトーク磨いたかな。

やっぱりトークは大事?

さださん
ーあのね、しゃべるのは・・・嫌いじゃないですよ。
歌より好き。うんと好き。

確かに、3時間コンサートの2時間しゃべりだって。

さださん
ーそれはウソ!伝説。都市伝説。
都市伝説の1つにさだまさしは2時間半で2曲って。
それはね、長崎のある講演会で主催者が「さださん、せっかくですから歌を1曲聞かせてくださいませんか」っていうので1曲歌ったの。
そしたらアンコールって始まったから、もう1曲歌って2時間半で2曲。
コンサートはちゃんと歌います。

コンサートではそんなことはしない?

さださん
ーうぅ・・・ん。あんまりしない・・・。

お客さんがみんな自由過ぎる

さださん
ーお客さんがあんまり自由で驚くよ。
こないだも、バラードがずっと続いてたらね、2列目でねお客さんが口開けて寝てたの。
気持ちいいんだろうなーって思うワケ。
気持ちいいと寝るじゃん?わかるわかるわかる、終わったら起きて帰れよって思いながら歌ってると、口開けて寝てる隣の女性がハンカチ出して泣いてるのよ。
このコントラストってすごくない?

 最前列に居た人が便所行くからね、俺が歌い出した時に。
1度呼び止めたことがある、大阪で。
なぜ、あなたはこのタイミングでいくんだと。
そしたらね振り返って、「歌はCDで聞きますから」って。

記 憶 の 中 で ら め く

永六輔と中村八大の感性に驚かされる曲


さださん
ーやっぱり「上を見て歩こう」って曲が衝撃的な曲だったですね。





あれは小学校ですよね?

さださん
ー小学校です。テレビ番組の「夢で逢いましょう」で聞いて目からうろこ。
その後永六輔・中村八大の作品をずっと聞いて大きくなりました。
なにしろ感激したのはイントロですね。

 この「上を向いて歩こう」にイントロは50年以上経っても古びてない。
でこの間永さんが亡くなって、僕は慌ててね、永さんの歌を自分で歌ってみようと思って歌いなおしたんです。そしたらびっくりしたのはね、子どもの頃の思い出、青春の葛藤、大人になりかかり腐りかかる自分、老いていく自分をちゃんと見つめようとする視線。
全部永六輔が書いてた。
愕然として、僕この人の掌から出てないと思った。

♪上を向いて、歩こwowowowoなんて歌ってって、永さんが怒ってたけど、そう歌うようにって中村さんが指定してたのが後からわかったの。

これ本当にいい歌ですよ。

よくできてる

さださん
ー何でこんなにしゃれて聞こえるんだろうと思ったらね、鼻濁音です。
ぼく九州人で鼻濁音の文化がないんです。


しゃれた音楽は鼻濁音が美しい

さださん
ーナミダ

加山雄三さんもそうです。
2人を夕やみ


ー九州人にはマネできない。今ロックバンドなんかは絶対鼻濁音なんか使いませんから。
どんどんガァーになちゃってるから。
こじゃれた楽曲はなくなっていくんでしょうね。

永六輔はトークの天才


永さんとも交流がおありになったの?

さださん
ーハイ。
何分時間ある?って聞かれて30分って言うと必ず永さんの話は30分で終わる。
ほんっとに天才!
15分くらいって言うと15分で終わる。
ちゃんと起承転結がある。
1度、1時間って言って、これは無理だろうと思ったら1時間ピッタシで「じゃ~ね、まさし」って言って。びっくりして振り返ってたら、後ろの壁に時計があった。

プロのヴァイオリン奏者を目指し中学で上京

ソロヴァイオリニストとして勉強するために長崎から?

さださん
ーそう、中学の時から東京なんですよ。
天才だったんです子どもの頃。
人が言わないから自分で言いますけど。
もう、すごい脱落しましたね。
だって音楽高校落ちて、普通高校行って、2年の時に進路を決めなくちゃいけなくて、芸大に行く力はないなって思って一浪して頑張るかなって。でもそこまでして俺は音楽が好きだろか?と思った時に折れたんですね。

ギターを手にした時前すべてが変わった

そのヴァイオリニストになろうと思ってた天才少年が突然クラッシックじゃない、加山雄三さん、坂本九さんとかの?

さださん
ー加山雄三さんが火を点けてくれましたよね、ギターを弾くっていう。
中学2年の時下宿のお兄さんがギターを弾いてるのを見て自分もしてみたら、僕はヴァイオリンをやってたおかげで、ギターの押えにくいコードを難なく押える事が出来たんです。
簡単じゃーん!って思ったんです。
循環コードを使って、その日のうちに曲ができちゃった。
違う曲もできちゃって歌詞も付けた。

1日にしてシンガー・ソングライターに!?


さださん
ー翌日、親友に聞かせに行った。
曲つくったんだけどさー。
すると、マー坊ギターなんか弾けた?って驚いちゃって。
いや、昨日生れてはじめて弾いたんだけど聞いてくれる?と弾き出したら、感動しちゃってソイツ。

天才だよ天才だよ天才だよ天才だよ・・・

フィードバックエコーがかかっちゃって。
今までどんなに上手にヴァイオリン弾いてもそんなに喜んでくれた友達いなかったから。


そうなんですか?

さださん
ーヴァイオリンの無伴奏パリティータなんか弾いても、「ううーん、それ上手いんでしょう」って聞かれるくらいで。

クラシックってどう理解していいかわからないわけね、やっぱりね。


さださん
ー歌だとすぐわかっちゃうじゃない。これはいいってんで、それから歌作りに入っていっちゃうの。

ウケた事が嬉しくて?

さださん
ー嬉しくて!
それで友達が失恋したって言ったら、インタビューに行って、どんな恋でしたか?って聞いてソイツの歌を作ってあげるの。
そうしたら、たかが俺が作って歌ってるのにソイツが泣くんだよ。
純情だね、男って。
もう気持ちよくて。
作曲家になったんです。


「北の国から」のテーマが誕生した瞬間


この前この番組に倉本聰さんがいらして、「北の国から」の曲を作っていただいた時に、ア~とか、ウ~とかの歌作りやがってとか・・・みたいな事おっしゃってたけど。


さださん
ー倉本先生のお宅にずっと遊びに来いって言われてて、ギター持って来いって言われて。

富良野に?

さださん
ー富良野。それで「北の国から」の第1回と2回のビデオを見せられたの。
どうだ?お前。これどう思う?って言われて。音楽が何にも入ってない。
先生これスゴイ。
感動しちゃって。
お前、ホントに気に入ったか?と聞かれて気に入ったと。
じゃあ今テーマ作れ。
初めて子供たちが北海道に着く冒頭シーンに戻して、岩城滉一さんが「よう来たな、お前ら」と出迎え、次の瞬間、隣町の七色の花畑を横切るシーンがあって、「ここっ!」って先生がここでお前の歌が聞けてればいいんだって。
お前の声でしろ。
イントロは?って聞くと、できるだけ短くって。
手癖ってあるじゃないですか、僕はついついGのコードに手がいくんですが、先生こんな感じでどう?って言うと「おー言いじゃないか」って。
もう1回ビデオを流して、子どもたちが飛び出してくる、岩城さんが「よう来たな、お前ら」出迎えの声がする、そして車が走り出す。そこで「アーア~・・」って言うのどう?そうやって作っていった。
そして12月の寒い中、ロケに行ってた役者さんが帰って来た。
そしたら「出来たのかーい(田中邦衛さんをマネて)」なんて言われて、歌うと「最高だよ、それ」って。
酒飲もうって始まって、雪の中から″みちさかり″って辛い酒出してきて、みんなで茶碗酒。
もう一回歌え、「アーア~・・・」「最高だよ、それ」ずーっとその繰り返し。

歌詞をつけない理由


ーあっもうね、その段階で歌詞要らないねって僕先生に言った。
先生も俺もいらないと思うって。言葉は邪魔すると思った。あの富良野の風景の。
ア~とウ~しか出てこない。
アとウが出てきただけでも偉い。
へとホじゃなくて。
へとホで成功した例は「与作」しかない。
これはネタですけどね。


サワコが好きな片恋

個人的に好きなのは、片恋。


さださん
ーあらっ、うれしい!これはね、僕も好きですよ。

そうですかっ!

さださん
ー愛って常に片恋って気がするんですよ。
相手が投げ返してくれるなんてちっとも期待しないで、投げ続けるっていうのが愛のような気がするんでね。


最初に届かないって心がある。
初めは低く来るんですよ、それからぶわぁーんってなる時の、なんか元気出るかもしれないって。
行ってみようかな彼のところにって。




聞き手も歌い手も気持ちのいい曲

さださん
ーおー!いいねー。背中を押す?それ理想じゃないですか、歌の。

だから何べんも聞きたきくなるし、ウルっと来ちゃうのね。


さださん
ーえー、ホントに?力あるじゃん俺ー。それで背中押してもらうみたいな。
この歌はね、声が出る日は歌ってて気持ちがいい。あーなたに届けのところがね。


急激な解放感



さださん
ー「あ」だからですよ。あって明るい大きな音でね。
それまでずっとcloseした心がね、あなたにで初めて「あ」が飛び出すっていうね。
こんなに相手に伝わる構成はなかなかできないです。
図って作るものではないので。こうすれば感激するかなとか、こんな事言えばちょっとホロっとするだろうなんてこざかしいこと考えるとね、絶対にその歌をね人はいい歌だとは思ってくれない。

カラオケで頑張ろう、私。決めた。

さださん
ーこの歌のコツはね「憧れてー」で思いっきりブレスしないとダメなの。
聞こえない声で叫んでいるあーなたに届けまでノーブレス。
それであーが出ない日があるの。あーが上手に出ないと帰りたくなる。
歌うのってあまり好きじゃないんですよ。

もっと歌が上手ければといつも思う

さださん
ー歌の上手い人を嫉妬するしね。歌の上手い人はたまらないですよ。
こんな風に歌えたら俺もっとすごい歌かけちゃうなーって思っちゃう。
自分のために書くぐらいしんどい事ってないんですよね。
どうせ歌えねぇーだろって思うから。

「作曲家」「作詞家」「歌手」が同居する自分

 ほんとはこういう流れなんだよって思うから、どうせ歌えねーだろうって作曲者の自分がいる。
それえ作詞家は、オマエ活舌悪いから、ここんところこういう風に直しといたぞ、みたいな。

さだまさしはどう言うんですか?

さださん
ーなんで、こんなややこしい歌作るんだよー!!と思いながらレコーディングで歌ってんの。
それで自分で直しちゃうの。
ここ「は」で歌うと「あな」に聞こえちゃうから「花」を「風」にしちゃおうとか。
わがままな「歌手」とわがままな「作曲家」とわがままな「作詞家」が同居して、しかも演奏家がいるんで。もう演奏家下手なんですよ。
もうイライラする、歌も下手だしギターも下手。
作曲家が1番怒ってますよ。
作曲家が1番先行ってますんで。

例えば「関白宣言」もそうですけれども、亭主関白なんてだいぶ前の、もう化石化している時代にこの歌をぶつけるって何なんですか?

さださん
ーそうそう、だから叩かれたー。
関白っていうだけでね。

関白宣言に込めた思い


さださん
ーあの頃からね核家族やニューファミリーって言葉が出てきて、親と同居せずって言い始めたの。
そうすると、夫婦2人きりになっていて、片っぽがいなくなって最後1人きりになるんだよ。
その覚悟はありますか?その問いかけが家族の歌だった。それで今さらね、僕らの年になって「孤独死」とか「無縁死」とかが話題になるとね、何を言ってる、だからあの時言ったじゃないって。
時代の反対側にカードはらないと。

時代の問題点を楽曲にするのが仕事

さださん
ー炭鉱のカナリヤって言葉があって、永さんもよくおっしゃってたけど、僕ら発信者は「炭鉱のカナリヤ」でなければいけないんですね。
つまり、ピーチクパーチクさえずるのが僕らの仕事で、例えば毒ガスがあったら先に歌をやめてしまって死んじゃう。
だから人間はそこから引き返せば、カナリヤは死んじゃうけど、炭鉱でガスが溜まってたら、工夫さんたちは助かる。
おかしいと思うことはおかしいと言うと、滅多打ちされるから、そうじゃない方法で歌謡曲として歌ってきたの。

歌い続ける理由

さださん
ーでもこんなに有名にして頂いたのはなぜだろう?
特に東日本大震災以降、心をどうにか慰めるのは音楽、ささやかだけれど力がある。
ギターを持ってい入っていくとね、すごい喜んでくれるのね。そして歌うとね僕の歌、何曲かは一緒に歌ってくれるんです。こんなに有名な歌にしてくれたんだと感動するじゃない?


そうです、みんな知ってますよ。

さださん
ーだから、もっと歌わなきゃと思うのね、なぜか。
ここまで有名にしてもらった理由はこれかあ






さだまさしがうらやむ歌唱力

 イタリアのミーナ・マツッイーニって77才の歌手。
若い頃の曲で「BRAVA」って曲があるんですよ。これ聞いた時に腰が抜けた。
こんなに歌えたら、自分の人生変わってるなーっと思った。




         



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